JIN1982のトレーニング ブログ

30歳から走り始め、マラソン、ウルトラマラソン、トレイル、トライアスロンへの挑戦日記。目標はマラソン2:30、100Km8:00、トライアスロン51.5 2:20。

☆スパルタス論 3 スパルタスロン完走へ 運と気持ち・制限時間との戦い

運と気持ち。

スパルタスロンを走って、この2つがとても大切だと気付かされました。

 

<運>

①天候:正直自分の力ではどうにも出来ない要素です。

ただ、天候とスパルタスロン完走率にははっきりとした関係性があります。

日中の気温が38℃にも上がったと言われている2012年30回大会では完走率が過去最低の23%。

比較的気温上昇が緩やかだったと言われている2014年32回大会では過去最高の59%。

スパルタスロンの制限時間は36時間、スタートは7時でゴールの制限は翌日19時。

そのため、日中の暑いなかのランを2回と夜間山岳地帯の寒いなかでのランを1回くぐり抜けなければなりません。

 

日中はとにかく日陰がなく、強い日差しにずっとさらされ続けるので、当然熱中症対策が必須となる。

出来ることは、ボトルを持って走り、走っている最中も絶えず体を冷やし続けること。各CP(チェックポイント)では、水(場所によっては氷)が用意されているので、必ず補給し、首などにタオルを巻き、氷で冷やすこともかなり効果的。

氷は各CPのスタッフに言わなければ貰えないこともあるので、なにが欲しいかのアピールが大切です。スタッフの人はかなり親切に親身になって対応してくれます。

日が暮れる頃には、徐々に山岳地帯へ入って行き高度も上がるため、外気温が下がってくる。また、山では雷雨も予想されるので、薄着しかないと低体温症になることも考えられる。レース前日、各CPにドロップバックが出来るので、自分の走力や日中の気象状況などから、レースシミュレーションをしっかりして、防寒着や補給・ヘッドライトなど必需品を預けておくことが大切。

ただ、シミュレーションは非常に難しいです・・・

自分もシミュレーションはしましたが、実際は全くそれとは異なった展開となり、防寒着・ヘッドライトなど一式をまとめたバックのある遥か手前で夜に突入しました。月明かりと一緒に走っているランナーに本当に助けられました(これについては、レースを振り返るときに再度書きたいと思います)。

そして、徐々に夜が明け、再び容赦なく太陽にさらされます。

2015年大会は運が良いのか悪いのか、2日目日中は太陽が出ず、逆に雨のレースでした。山岳地帯では風も強く、そのため、防寒着やレインコートがないとかなり体温が奪われ、低体温症になりリタイヤを余儀なくされた方もいたようでした。

 

いくらシミュレーションしても、天気だけはどうにもなりません。

ただ、出来ることは翌日の天候を確認し、いつでも最悪の事態を想定し、各CPへのドロップバックをいかに上手く使うかです。

ちなみに、各CPからゴール地点へも荷物を運んでもらえます。

自分の番号が分かるようにし、「to Sparta」と言って、スタッフに荷物を差し出せば大体やってくれると思います。

ただ、100%戻って来るとは考えないで下さい。戻って来なかったこともあるようです。

 

②水・氷問題:あたってしまい、お腹を壊したら、脱水症を招き完走へはかなり遠のいてしまいます。

水は各CPにはある程度十分に用意されているので、量の問題ではありません。

問題は質です。

ヨーロッパの水なので、日本の軟水とは異なり硬水です。

軟水に慣れている日本人が硬水を飲むと、下痢などお腹の調子が悪くなってしまうことがあります。

なので、大会前から硬水に慣らすために、硬度の高い水を飲んでおくという人もいるようでした。

次に、CPで提供される氷です。

暑い日中に走り、氷を提供されると、どうしてもボトルに入れたり、直接口に入れたりする誘惑に負けそうになります。

ただ、これだけは気をつけて下さい。氷でお腹を壊し、下痢がおさまらず、リタイアしてしまった人がかなり多くいました。

なので、出来れば氷はタオルなどに包み首に当てるなど、体を冷やすことに使うことが賢明かもしれません。

水はペットボトルから直接提供されるのでより安心です。

 

③CP(チェックポイント):①、②でも出て来ましたが、大切なポイントです。

各CPには細かく制限時間(CLOSING HOUR)が設定されています。

ただし、制限時間ギリギリの戦いとなり、CP通過が間に合わないと思っても、途中で諦めることは決してしないで下さい。大きなCP(22、35、43、47、52、60、68)以外では、時間を少し過ぎていても厳密にカットされる訳ではなく、次へ通してくれることがよくあるようです。

絶対ではないので、これも運次第とは思いますが・・・。

 

<気持ち・制限時間との戦い>

折れない気持ち、大切です。

当たり前ですが、36時間には予想外のことが多々起こります。

予想外の気温上昇やそれによって失われる体力、体調不良、予想外のコースのアップダウン、CPに預けておいたはずのものがなかったり、野犬に襲われそうになったり・・・。

ここで大切なのが、自分の現状を冷静に分析する力です。

出場権を獲得し、スタート地点に立ったならば、完走する力は絶対にあるはずです。弱気になったり、後ろ向きな考えは一気にその可能性を下げます。

思った以上に制限時間まで時間が余っていたり、少し休むことで気力も体力も回復して来るかもしれません。

ただ、冷静に自己分析をして、厳しいと思えば、勇気あるリタイアも必要だと思います。経験は確実に次へのレースにつながって行くと思います。

 

そして、とにかく完走を目標にするのであれば、制限時間との戦いです。 

まず、なにはともあれCP20 80kmを9時間30分。これをクリアすることです。

毎年、半数の参加者がここまででリタイアを余儀なくされます。なので、どんなに走力に自信があっても、あなどらないで下さい。

コースマップでは分からないアップダウンがあり、思った以上に体力を奪われて行き、時間がかかります。

その後は着実に距離を進めて行きます。

日が落ちると気温も下がるので、山岳地帯に入って行きますが、少しずつでも時間を稼げれば稼いでおきたいところです。

各CPに制限時間と次のCPまでの距離など表示があります。

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でも、私は各CPと距離・制限時間が書いてある紙をコピーし、ジップロックに入れ、最後はずっとそれを見ながら、なんとか完走をと思い、なんとかゴールしました。

徐々に近付くゴールのCP75、積み重ねた距離を考えて、ここまで来たんだからと気持ちを奮い立たせるために、私には非常に役立ちました。

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